壁や床を共有しているマンションなどの集合住宅では、年代も生活習慣も異なる人々が住んでいるため、トラブルが生じやすいものです。
特に問題になりがちなのが騒音です。
どんな人も音をまったく出さない生活を送ることは不可能なので、上下階や隣りからの音を不快に感じ、騒音に悩まされることもあります。
騒音トラブルにあった場合、警察に連絡してもよいのでしょうか?
マンションの騒音問題で警察を呼んでもいいの?
マンションの騒音問題で困っているならば、警察を呼んでも構いません。
ですが、警察は原則として”民事不介入”なので、どんな騒音でも警察を呼んでいい訳ではありません。
騒音を発生させている人には問題のない音でも、聞かされている人の中には不快に感じることもあります。
人によって、音の種類や性質によって不快と感じることがあります。
騒音の発生源は次のように分けられると考えられます。
1.電化製品
エアコン、室外機、洗濯機、掃除機など。
こちらは時間帯と音量が問題になります。
近年は共働きの家庭が多いので、夜間に洗濯したり、掃除をするしかないこともあるでしょう。
だいたい夜10時までに終了させることを目安にすると良いでしょう。
また、古いタイプの電化製品は音を抑える機能が低いですし、故障していると異常な音が発生することもあります。
新製品でもマンションの壁や床を伝わって、音や振動が響くことがありますので、せめて使用時間だけでも気を付けたいところです。
2.音響設備
テレビ、ラジオ、ステレオ、ピアノなどの楽器、風鈴など。
こちらで問題になるのは音量です。
音楽のジャンルに関係なく、大きすぎる音量は時間帯に関係なく問題になります。
誰でも騒音の発生源になりうるので、玄関の外まで音が漏れていないか確認しましょう。
ピアノなどの楽器はヘッドフォンを使っても、音が漏れたり、振動が伝わることがあります。
消音機能がない楽器の練習は極力明るい時間に行い、夜9時頃までに終了させるようにしましょう。
また、風鈴の音色は好みがわかれます。
1つなら良くても大量になると問題ですし、1つでも風が強い日は出さない、普段でも暗くなったら家の中に入れるなどの心遣いが必要です。
3.生活音
キッチンやバスルームの給排水、ドアの開閉音、足音、イスやテーブルを動かす音など。
これは音を完全に消せませんし、悪意がないことがほとんどなので、厄介です。
キッチンやバスルームを使うのは夜中の0時を目安とし、多すぎる給排水は騒音が出やすいので、注意します。
玄関ドアだけでなく、部屋の間仕切りのドア、クローゼットのドアも常に丁寧に扱い、自分の手で閉める習慣を付けましょう。
足音やイスをテーブルを動かす音も意外と下の階に響きます。
カーペットを敷いたり、イスやテーブルの脚用のクッションを使うことで、音も響きませんし、床にキズが付きにくくなります。
4.話し声、笑い声、泣き声、子供の騒ぐ声
こちらもゼロには出来ない上、当人たちに騒音の意識がないことが多いので、厄介です。
夜遅くに窓を開けたままだと、思いのほか声が遠くまで聞こえます。
暗くなったら窓を閉める、声の大きさにも注意します。
子供の騒ぐ声や音は日頃から交流があると不快に感じにくいです。
日頃から、隣や下の階の人に
「子供がおります。ご迷惑おかけしていませんか?」
と声を掛け、子供には、
「騒ぐなら公園で、暗くなったら静かに過ごす」
ということを教えましょう。
5.車の音
必要以上のアイドリングや空ぶかし、クラクションの音などです。
言うまでもなく、夜間の住宅街では短時間の駐停車であっても、車のエンジンは切るようにしましょう。
以上のことを考えると、警察を呼んで構わない騒音問題とは下記2点に限られるでしょう。
1.事件性が疑われる
怒鳴り声や悲鳴などは、ケンカや虐待などの事件性が疑われますので、110番通報します。
2.常識を激しく超えている
騒音の音量がテレビが聞こえないほど、会話が成り立たない程の大きさである場合や、騒音が深夜や早朝などの場合も110番通報して構いません。
110番通報すると必ず警察官が出動します。
事件性がなければ、警察は民事不介入ですが、警察が来て注意を促すことで、騒音の発生源の人に対して抑制力はあります。
また、警察出動の記録が残りますので、度重なれば、マンションの管理会社も対応を考慮することになるでしょう。
「生活音が気になるから」といった、軽い気持ちで警察を呼んではいけませんが、あまりに常識を超えた迷惑行為の場合や、事件性が疑われる時は警察への通報を検討しましょう。
マンションの騒音の苦情は直接言いに行かないこと!
マンションの騒音の苦情は直接言いに行かないことが鉄則です。
騒音の発生源の人はその自覚がないので、逆恨みされてしまうこともあります。
被害にあっている人も長期間騒音にさらされることで、精神の安定を保つことが難しくなり、「あの人が私に嫌がらせをしている」「わざとやっている」などと思い込みがちです。
騒音問題をきっかけに傷害事件に発展したケースがたくさんありますので、苦情を直接言いに行ってはいけません。
加害者が逆恨みすることも、被害者が冷静さを失うこともあります。
苦情を口頭で言うのも、メモを置くのも、壁ドンや天井を叩くのもNGです。
事件性が疑われる場合や、常識から激しく外れている場合以外は管理人や管理会社などから言ってもらいましょう。
この時に「○○号室の方から苦情がありました」と言ってしまうと、逆恨みされしまうことがあるので、マンションの入居者全体に「騒音にご注意ください」などのチラシや貼り紙がされることが多いです。
それでも騒音が収まらない場合は、繰り返し管理人や管理会社に連絡して構いません。
今すぐできるマンションの騒音対処法
マンションの騒音問題は、誰もが加害者にも被害者にもなりうるところが厄介なところです。
騒音問題の加害者にも被害者にもならないために、すぐできる対処法をご紹介しましょう。
1.カーペットを敷く
フローリングは人気がありますが、足音が響きやすいです。
スリッパではよけいに足音が響いてしまうので、カーペットを敷きます。
子供部屋の場合はコルクマットでもいいですね。
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2.遮音性の高いカーテンを使う
遮音性の高いカーテンを使用することで、布で音を吸収させます。
暗くなったらカーテンを閉めることで、部屋の中も見えづらくなり防犯効果も高くなります。
日中でもカーテンを使うとエアコンの効果も高められます。
日中は暗くならないように薄手のカーテンを使用し、夜は遮音性の高いものを閉めるなど2枚使いがお勧めです。
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3.家具の配置を変える
家具を壁際に置いたり、ベットの位置を変えることで、騒音の発生源から遠ざかることが出来ます。
4.耳栓を使用する
耳栓をすることで、騒音をかなりシャットアウトすることができます。
なかには、軍事用の耳栓をアマゾンで購入して、騒音対策をしたという人もいました。
やはりそこはプロ仕様なので、かなり効果があったそうです。
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私は騒音が気になる時は、よくクラシックをイヤホンで聞きながら寝ます。
話し声がボソボソ聞こえる程度でしたら、割と気にならなくなりますよ。
まとめ
マンションの騒音問題は、加害者側にその自覚がないことが多いので、苦情を言うと思わぬトラブルになってしまうことがあるため、直接クレームを言いに行かないのが鉄則です。
事件性が疑われる場合と、常識から激しく外れている場合は110番通報します。
それ以外の生活音などは、管理人や管理会社に言って、注意喚起してもらうと良いでしょう。
騒音問題は誰もが加害者にも被害者にもなりうるので、十分に注意が必要です。
基本的には「暗くなったら静かにする」を心掛けると良いでしょう。